ウィジェットをめぐる冒険 その4 ウィジェットがIT用語になったのはいつ?
4/8のエントリ(ウィジェットをめぐる冒険 その2 ウィジェットの語源)では、widgetという単語の成り立ちについて簡単に調べてみました。
その結果、『widget』は84年前にできた言葉らしいということが分かりました。
84年前というと、繰り返しますが、インターネットはおろか、コンピュータすら無い時代です。
ということは、元々、『widget』という単語はコンピュータ関連で使われる言葉ではなかったのです。
ではいつ頃から『widget』はコンピュータ周りで使われる言葉・IT用語になったのでしょうか。
4/10のエントリ(ウィジェットをめぐる冒険 その3 ウィジェットがいっぱい)の通り、『widget』がIT用語として世に出た順番としては、『widget engine』より『GUI widget』のほうが先かと思われます。ので、『GUI widget』を『widget』と呼ぶようになった経緯を調べていると、
Wikipediaの「ウィジェット(GUI)」の記事に興味深い記述がありました。
以下引用
widget とは、英語で「(名前の分からない)小型装置、部品、仕掛け」を意味する。GUI部品をウィジェットと呼ぶようになったのは、1980年代の Project Athena が最初である。「他の類似の用語には不適切な意味が内包されているため」この単語が選ばれた。また、このプロジェクトの Intrinsics ツールキット(いわゆる Xt ライブラリ)は、X Window System 上でウィンドウと各ウィジェットを関連付けたため、ウィンドウ(window)と同じ接頭部の用語が選ばれたという。
引用終わり
この記述を信用するなら、ここで、『widget』は始めてIT用語になったことになります。
引用中にもあるとおり、コンピュータの画面を操作する道具は、物質的な語感のある『gadget』とはやはり別のもの、という感覚があったのでしょう。
4/8のエントリ(ウィジェットをめぐる冒険 その2 ウィジェットの語源)で触れましたが、『widget』は戯曲で生まれた言葉なので非日常なニュアンスがあります。『window』と『gadget』を想起させる語呂もあるので、ディスプレイ上の小さな部品を『widget』とつけたのはうまいネーミングだなあと感じますね。
Project Athenaは1983年に始まったそうです。
そうするとwidget君はただ今25歳。
真っ盛りなんですなあ。
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